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行きかふ人も又

行きかふ人も又

三岸好太郎


三岸好太郎



北海道立三岸好太郎美術館は、道立近代美術館のすぐそばにあります。
画家・三岸好太郎はどのくらい有名なのかわからないけれど、地元である札幌は、中学校の教科書に載っているそうで、街角で美術館の名を目にする機会も多く、知名度は高いように思います。

今回初めて、ガイドの方の解説つきで館内を観て歩きました。
こじんまりとした、二階建ての真っ白な建物。人はまばらで、小さな美術館ならではの、ゆったりとしたひと時でした。
三岸氏が設計したという、当時としてはものすごくモダンなこの建物は、美術館では珍しい大きな窓があります。


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「オーケストラ」(1933)                 「道化役者」(1932)


人気があるという「オーケストラ」は、引っかいて描く技法。線の一本いっぽんはごく単純なのですが、素晴らしい絵だと思いました。
その年に発足したHNK交響楽団の演奏を聴いて、構成を練りに練って描かれたそうです。
時期によって、作風も、モチーフも大きく違います。
故郷の風景画、花、蝶、貝殻、なかでも道化師は、惹かれたモチーフでした。一番の大作「道化役者」も晩年の作品のひとつです。

晩年とはいっても、31歳という若さでの急逝。
芸術家は、ときに短命ですね。
同じく画家だった節子夫人は、フランスで活躍して長生きされました。


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「のんびり貝」

画家としても成功していて、この「のんびり貝」が高値で売れた1934年、貝殻旅行と称して夫婦で出かけた旅先の名古屋で倒れ、この世を去ったのだそうです。


力強い風景画から、様々に変わっていく作風を楽しみましたが、どちらかといえば、暗い配色の数々の道化師の絵が好きになりました。
三岸好太郎は、自分の存在と重ね合わせて、描いたものだったそうです。
それから「のんびり貝」。影の形がなんともいえず、いいですね~


休日には時々、ロビーコンサートがあるそうです。都合があえばもう一度出かけてみます♪
裏庭は12月1日から冬篭りで、歩けませんでしたが、とても広々とした敷地が広がっていました。
こちらもまた、雪が解けたら、出直して見たいと思います。





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